夏の暑い季節になってくると、女性は特にお肌へのダメージが気になります。紫外線や日焼けの防止にドラッグストアや薬局で購入できる市販の「日焼け止めクリーム」を塗る方が多いでしょう。クリームに限らず、ジェル状の物や乳液状のものもありますが、紫外線を遮断することでビタミンDが不足すると別の問題に注意する必要があるというのです。
そもそもなぜ「日焼け止め」を使うのか?
一般的に「日焼け止め」や「UVケア」というものは、太陽の紫外線から肌を守る為に使うものです。毎日のように長時間浴びていると、特に夏場は火傷のような症状になったり、にきびや肌のくすみの原因となります。
日焼け止めの製品を使う事で、肌荒れを防いだり肌に「透明感」「明るさ」「潤い」を与えてくれる製品が人気です。美白ケアにも使えたり、シミ・ソバカス対策のものもあったり、香料や添加物が無添加のものも売られています。
ではなぜこれらの対策をすると「ビタミンD」が不足するのでしょうか。不足することでどういった逆効果が生まれるのか、調べてみます。
ビタミンDとはどういった役割か?
果物のビタミンCはお肌に良いのはよく聞きますが、ビタミンDは下記のような効果があります。
ビタミンDには、小腸や腎臓でカルシウムとリンの吸収を促進する働きと、それによって血液中のカルシウム濃度を保ち、丈夫な骨をつくる働きがあります。
出典:glico
つまり骨に関する良い効果があるのが「ビタミンD」なのです。魚や卵に多く含まれているので、日頃からこれらの食品を頻繁に食べている方はあまり過度な心配をする必要は無さそうです。
どんな食べ物に多いのでしょうか。特に鮭(シャケ)や鰻(ウナギ)に多く含まれており、シラスや「ちりめんじゃこ」もオススメです。中国産のウナギは安いですが、日本の国産のウナギは高いので中々難しい場合は鮭で代用しましょう。
他にもキノコ類で「きくらげ」「まいたけ」が多いそうで、「あんこう」や「すっぽん」も多いですがあまり頻繁に食べる人は少ないでしょう。
欠乏症になると、どんな不都合な事が起こるのか?
大阪樟蔭女子大などの研究チームの調査結果が載っていました。これによると20代の女性に限ると、週に3回以上日焼け止めを使っていた場合、欠乏症の割合が高かったというのです。
研究チームは2016年5月から1年間、同大の学生など20代の女性延べ101人について、日焼け止めの使用頻度や食習慣などを調査した。その結果、日焼け止めを週3回以上使うグループの血中ビタミンD濃度の平均は、通年で基準を下回る「欠乏状態」だったという。
「ビタミンD」が欠乏すると「骨粗しょう症」「くる病」が発生する可能性が増えると言われています。骨粗しょう症になると、くしゃみをしただけで骨折したり、僅かな衝撃だけで骨折してしまうのです。若いうちに発症すれば怪我で済むのかも知れませんが、高齢者には寝たきりや介護が必要になる可能性もあります。しかし場所によっては「脊椎椎体」といった重症化するケースもあるので注意が必要です。
くる病は乳幼児に多く、足の骨が変形したり、歩行がしづらくなることもある症状です。戦後では多かったのですが、栄養環境が発達した現在では減っているもののビタミンD欠乏によって発祥するケースもあります。
日光不足やビタミンD不足で起こるので、心配な場合は病院で検査をし対策や治療を検討するべきでしょう。
紫外線は悪いことばかりではない?
紫外線を浴びすぎるとガンが心配になったり、細胞や肌の老化に影響を及ぼしますが必ず100%全てが悪いというわけではないというのです。
妊娠したければ、日光を浴びよう 紫外線は百害だけじゃなかった
出典:あまねクリニック
女性の子供への妊娠力の向上や、リスクの軽減に必要だというのです。そして生まれてくる子供への影響もある事から、紫外線イコール悪いと断定はできないのでしょう。
最近では欝病や自閉症に免疫の低下など様々な研究結果も報告されているそうで、紫外線は全て悪いという事ではなく、ビタミンDは必要ということは覚えておいた方が良さそうです。