統計データをグラフにすることで、数値の差や比較は簡単に把握することが出来ます。しかしグラフの「目盛り」には注意しなければなりません、大袈裟に比較されたものや嘘に近いような比較で欺いているデータが作られている場合があるからです。不均一なグラフの目盛りには騙されないようにしましょう。
印象操作をしていない正確なグラフデータの場合
内閣の支持率、政党の支持率がグラフで表されることがあります。例えば下記のような棒グラフは何も問題はありません。
政党別に綺麗に均一にパーセントが表記されています。数値に差があればあるほど、比率が同じこのようなグラフは分かりやすく見えます。しかし問題なのは差がほとんど無い場合は、差が分かりにくいという点です。その場合はどのように表示されているのでしょうか。
印象操作をしているグラフデータ:縦軸編
円グラフは操作されることはまずありませんが、棒グラフ・折れ線グラフでは特に注意しなければなりません。最も注意しなければいけないのは、グラフの「単位」です。下記をご覧下さい、何か違和感が無いでしょうか。
上記のグラフ画像を見て、違和感を感じませんか。そうなんです、40と50の目盛りの間が他と異なり開きすぎているのです。そしてそこへ目が届かないように、目盛りの数値も10・20・30はあえて付けていません。本当は僅か9%の違いしかないはずなのに、まるで数十%もあるかのような印象を与えているのです。これはネット上の統計データやテレビ番組でも使われることがあります。数値に嘘はなくても目盛りの印象が操作され、さも深刻な差があるかのように見えてしまうのです。
印象操作をしているグラフデータ:横軸編
では次にこのようなグラフがあるとします、緩やかに下落しているように見えます。
しかしよく見てみると、6月と7月の横軸の差に違和感を感じます。そこで縮めてみると下記のようになります。
少しずつ下落していたと思ったら、実はここ1ヶ月の間に急激に下落している事が分かります。例えばこのグラフが右端にある7月に作られたものとします、この7月の話を出してさも大事な時期と思わせるように話したり、強調します。そうすると6月と7月の間が広く開いていても、深く気にしないで見てもらえるというわけです。
比べるデータの「基準となる数値」が異なるグラフ
出典:asahi.com
よく見かけるタイプの新車の販売台数についてですが、これを見るとハイブリット車が急激に伸びているような印象を持ちます。しかしよく見てみるとグラフ上記の自動車は100万単位でハイブリッドの方は10万単位となっています。ブームがきているといっても実際は市場全体で見ると、そこまで急激に高いわけではないとなります。ブームが来ているという事を視聴者にイメージさせることができます、嘘ではありませんが比較数値の印象が異なります。
このようにグラフを見てみると差がくっきりと分かり判断しやすい、と思っていたら大間違い。実際は元になっている値や比率をしっかりと確認し、誤解を生まないように自分で確認をすることが大事なのです。