子供だけでなく大人の発達障害が増えています。仕事や生活をするときに、発達障害で無い方よりも行動負担が高いためで、生活が困難になっているというのです。仕事や生活をする上での負担を軽減させるにはどうすれば良いのでしょうか、どのような仕事が比較的合っているといえるのでしょうか。
発達障害とはそもそも何か?
発達障害は、脳の発達が他の人と異なることです。行動が上手くいかず職場や学校で、周りと上手く馴染めず生きにくさを感じてしまうことがあります。会話が中々続かなかったりすることがありますが、興味のある分野では集中することが出来ます。
大人へと成長するにつれて他の人との比較で悩みが多くなり、合併症を発症することもあります。大事なことは発達障害は病気ではなく、生まれつきの特性という点です。
発達障害にも細かい種類がある
厚生労働省の見解を見てみると、いくつかのタイプに分かれます。自閉症・アスペルガー・ADHDは名前を聞いたことがある方は多いでしょう。
発達障害はいくつかのタイプに分類されており、自閉症、アスペルガー症候群、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害、チック障害などが含まれます。
これらは、生まれつき脳の一部の機能に障害があるという点が共通しています。同じ人に、いくつかのタイプの発達障害があることも珍しくなく、そのため、同じ障害がある人同士でもまったく似ていないように見えることがあります。
出典:発達障害 厚生労働省
自閉症やアスペルガーは、1歳から症状が現れ好きなことは集中でき、その他の事は中々付いていけないという症状が起こります。
ADHDは、注意欠如と言われ座っていても集中できなかったり、順番が待てなかったり最後までやり遂げられないなどの症状があります。
しかしこれらは一般的に大人になるにつれ症状が軽くなると言われています。しかし軽くなるといっても負担になることは続き、社会では疲れることが多いようです。
特に対人関係・コニュニケーション・物事への集中度合いなど、社会に適応する事で苦労します。医療機関でお医者さんに診てもらっても、診断が難しく1人1人の特性が異なるため対策方法も難しいといわれています。
仕事をしていると疲れる理由とは?
他の人より同じ仕事を任されても遅れたり、ミスをすることが増えてしまうことがあります。それは集中できなかったり、注意力が抜けてしまったりという点です。中には特異体質的なものとして、記憶力がずば抜けて高かったりある種の作業での集中力が圧倒的に優れていることもあります。
【仕事の集中が出来ない場合】
適度に休憩するようにしましょう。テレビやゲームも同じで1時間してから15分程休憩することが推奨されているのと同じです。トイレに頻繁にいったり、コーヒーやお茶を飲んだりと、脳を休めることが大事です。
【栄養を取ること】
バランスの良い栄養食は脳への疲労回復にも効果的です。アミノ酸やビタミンなどバランスの良い栄養を心がけて、少しでも体が回復しやすいように工夫することが大事です。
【体への負担は最小限に】
夜遅くまで起きているのではなく、早く寝て少しでも体力を回復させましょう。睡眠や運動も大切で、日中の体力を確保することが大事です。
発達障害の方がやりやすい仕事とは
アスペルガー症候群とADHDで合いそうな仕事は異なります。合いそうな仕事はどのようなものがあるのでしょうか。
星野医師は、一般にADHD者で成功している人が多く、向いている仕事として進めるのは、次の通り。
① 研究者、学者、中学・高校教師、塾・予備校講師など
② 警察官、消防士、新聞・雑誌の記者、作家、ジャーナリスト、カメラマン、ディレクターなど
③ イラストレーター、スタイリスト、漫画家、画家、建築関係、コンピュータ・プログラマー、CGアニメーター、広告関係、デザイナーなど
④ 調理師、調律師、自動車整備士、歯科技工士、電気技師、図書館司書、校正など一方、アスペルガー症候群に合いそうな職業は、テンプル・グランディンとケイト・ダフィーの文献を引用して、次のように挙げる。
① 建築・工学製図技術者、カメラマン、動物の訓練士、グラフィック・アーティスト、工芸家、ウェブデザイナー、自動車整備士、産業オートメーションのプログラマー、生物学教師など
② コンピュータ・プログラマー、エンジニア、物理学者、化学者、音楽家・作曲家、数学教師、音楽教師など
③ ジャーナリスト、翻訳者、司書、証券アナリスト、コピー・エディター、会計士、簿記・記録管理担当者など
出典:“大人の発達障害”に向く仕事、向かない仕事 DIAMOND
全ての人に当てはまるものではありませんので、あくまで目安という意味で考えるべきでしょう。学者やセンス・高い能力が必要とされる仕事が多いように感じます。
どちらにも言えることは、対人関係が多い仕事、接客などは不向きと言えます。頑張っていてもどうしても体が動かないときもありますし、無理に動かそうとすると神経が張り詰めた状態が続いてしまいます。ストレスも受けやすく疲れやすい、時には休息を無理やりにでも取る必要があります。そうしないと更なる体調悪化を招いてしまう恐れがあるからです。