うちのワンコに特別なイチゴを食べさせて「歯肉炎」を減らしてあげよう

冬の寒い時期に人気の「苺(イチゴ)」ですが、ワンコに効く特殊な苺があります。犬の病気として有名な歯肉病に、品種改良された苺が効果的とのこと。一体どういう事なのでしょうか、通常の苺とはどこが異なるのでしょうか。

歯肉炎とは?

歯肉(しにく)とは、歯の根っこを包んでいるピンク色の部分の事です。口を開いて見える部分を、歯茎(はぐき)と呼びます。

そのピンク色の歯肉の部分が炎症を起こることを「歯肉炎」と呼びます。歯肉炎は歯周病の1つで、口臭だけでなくよだれも酷くなり、赤く腫れたりします。人間と同じで硬いものを噛んだり、歯肉に当たると痛くなったり血が出たりします。ほとんどの犬が該当し、よくある症状として最も有名です。

悪化すれば歯槽膿漏(しそうのうろう)になるので、早めの治療が必要です。通常は、動物病院へ行き先生から消炎剤や抗生剤を投与してもらいます。

普段から口内を綺麗にし、デンタルケアをすることが予防の1つとして重要です。歯石を取ったり、人間でいうと歯医者に通って綺麗にしてもらうことです。

特別な苺はどのように作られる?

イヌ歯周病に対する治療薬として期待されるイヌインターフェロン-α(サイトカインの一種)を生産する遺伝子組換えイチゴの作出に成功しました。 イヌインターフェロン-αを生産するイチゴ粉末を、直接イヌに経口投与(口内に塗布)することで、歯肉炎の治療効果があることを証明しました。 本研究は、製薬企業との共同で行っています。

出典:国立研究開発法人 産業技術総合研究所

イチゴを使って、イヌインターフェロンという治療薬を作ることに成功しました。製薬企業と研究所が共同で研究をしています。

20160930-2
出典:【産業技術総合研究所】医薬品の“原料”を育てる世界初の植物工場

通常の植物工場では野菜や果物などが、短時間で効率よく栽培できるように温度管理や栄養管理がきちんとされています。LEDの光を太陽光の代わりに使い、水耕栽培などで土を使わない工場も話題になりました。

この研究所では植物工場として、特別なたんぱく質を作る遺伝子がイチゴに組み込まれています。遺伝子組み換えは環境への影響が重要な問題になりますので、施設内の空気や排水も外部へ流さないなど厳しい環境でリスク管理がされています。

インターフェロンとは?

インターフェロンとは、体の中で様々な病気から体を守ってくれる「たんぱく質」です。病原菌が体内で増えるのを阻止しようと頑張ってくれますが、限度があります。病原菌の広がりが早いので自分だけでは追いつきません、その為このような薬としてのインターフェロンが研究されているのです。

現在のところ、C型慢性肝炎やC型代償性肝硬変の方のウイルスを排除できる可能性のある唯一の治療法はインターフェロン療法です。

出典:インターフェロン治療の進歩

癌が出来たときの抗がん剤治療として、肝炎ウイルス対策など、幅広い対抗策として用いられています。しかし一方で副作用も懸念されていますが、薬に副作用はどうしてもつきものです。

イチゴがワンコの健康を助ける?

動物用医薬品として「インターベリーα」がDSファーマアニマルヘルス株式会社より発売されました。

参考:インターベリーα 動物用医薬品承認詳細 農水省

農水省が承認し、世界初のイヌ用の歯肉炎軽減剤として認可されました。もちろん通常のスーパーで販売されているイチゴをイヌに食べさせてはいけません。今後はイチゴに限らず、他の野菜や果物でもこのような特効薬が開発されるのでしょうか。