注射は痛くなくなってきているって本当か?

子供の頃から誰しも嫌がるのが病院やクリニック等での注射です。病気になったときや予防に注射は付きものですが、針を刺すわけですので痛くないわけはありません。しかし時代の流れと共に痛みが少なくなってきています。注射の痛い理由と痛くない方法を何なのでしょうか。

なぜ注射は痛いのか?

予防接種や採血など、健康問題で病院で注射をすることがあります。その際に看護師さんにしてもらうのですが、どうやら上手い下手があるのです。子供だけでなく大人も嫌がる予防接種だけ見ても、昔からたくさんの種類があります。BCGや日本脳炎・子宮頸がんや肺炎球菌などの他に、インフルエンザの予防接種やB型肝炎やおたふくかぜなど、様々な注射が日本では行われています。

きちんと目的の場所を注射できるとあまり痛みは感じなく、後から腫れ上がってくることはありません。しかし刺す場所によっては後で赤くなったり通常より痛みを感じることがあります。上手い下手があるのは当然の事で、人によって腕の太さや細さは異なりますし血管の太い細いも全く違います。打ちにくい体型の方もいるので、一概に看護師さんが下手だからというのは酷でしょう。

注射が痛くない方法は?

注射をするときに言われることが「力を抜いてください」という言葉です。これは力を入れることによって筋肉が固まってしまい、針が通りにくくなり針を通そうとすると逆に痛くなってしまうというものです。ですので、注射をしてもらう際は緊張していても力は絶対に抜きましょう。

もう1つは針を見ないことです。採血の際や刺さる直前まで見る方もいますが、人によっては貧血のように倒れてしまったり、気持ち悪くなったりします。そして注射は痛いと自己暗示してしまい、通常より痛く感じてしまうほど敏感になってしまうのです。ですので通常は見ないで看護師さんを信頼するのが良いとされています。

なぜ蚊に刺されても痛くないのか?

夏になると鬱陶しいのが蚊です、人間や動物の血を吸いに室内外問わず元気に飛んでいます。夏は蚊取り線香が手放せません。しかしいつの間にか知らない間に刺されて、痒くなってはじめて気付くこともよくあります。なぜここまで気付かないほど痛くないのでしょうか。それは蚊のストローのような針に原因があります。
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出典:蚊に刺されても痛くないしくみ

刺すときに微細な針(まるでノコギリのような)を振動させながら刺しているので、痛さを感じないというのです。髪の毛一本分という小ささの為痛点が避けられ、人間にある意味優しい吸い方をしてくれます。注射のように痛いとすぐに人間に気付かれてしまうため、このように進化してきたのでしょう。

蚊を応用した注射針が開発されている?

では蚊が刺すように痛くない注射針にすると、子供でもすんなりと注射をすることができるのではないでしょうか。そのような研究か医療分野で開発されています。
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医療機器ベンチャー「ライトニックス」(兵庫県西宮市)が開発した痛みの少ない注射針。アイデアの基になったのは、蚊の口だ。

出典:蚊の口を注射針に 生き物の特性 技術に生かせ

蚊のように針の先端がギザギザになっているのが分かります。蚊が細胞を押しのけて血管までたどり着くように、刺した後の痛みが少ないので好評だとか。従来の針は細胞を削って進んでいたのが、押すように押しのけて進むため痛みが少ないのです。注射をするのも患者さんにストレスや苦痛を与えてしまいますので、少しでもつらいことが無くなるよう負担を減らしてあげることは針から出来るのです。