何かをしているときや、ちょっと気分転換したいときに使われるのが「ガム」です。噛んで包み紙やティッシュなどに包んで、ゴミ箱にポイと捨てるのが一般的ですよね。ですが、驚いたときやふとしたときに、間違って飲み込んでしまう経験あるのではないでしょうか。通常捨てるはずが、飲み込む・・・これって体調は悪くなるのでしょうか、調べてみると意外なことが分かります。
なぜガムは飲み込まずに吐き出すものなのか?
ガムの包みやボトルを見てみましょう。注意事項がかなり多めに書かれている事が分かります。
・ガムは紙に包んでくずかごに捨てましょう
・噛んだ後は銀紙に包んで捨てましょう
基本的には付属の「銀色の包み紙」や、ボトルでは「捨て紙」が束で付属されている事があります。各社メーカーがこのように記載するという事は、「飲み込む」ものではなく、「捨てる」物である事が分かります。飲み込まずに吐き出すもの、これはメーカーの指示なのですが、具体的な理由は何でしょうか。
ガムの成分について
具体的な理由を見るには、まず成分がどのように構成されているか確認すると分かりやすくなります。ガムの説明書きに書いてある文言に「一度に食べるとお腹がゆるくなる」と記載があります。
これは甘味料というものが入っており、キシリトールとかソルビトール・マルチトールなどガムのボトルや注意書きに記載があるはずです。これらの糖分は腸に吸収されにくい成分として知られています。
吸収されにくいということは、お腹の奥深くまで到達するという事です。もっと専門的にいうと大腸の浸透圧が高くなったりするのですが、要するに消化が悪いということです。そしてお腹を壊してしまったり、何だかお腹の調子が悪いなということになります。
ガムを捨てる具体的な理由
それは消化吸収が悪いから、ということです。お腹へ丸ごと入れてしまうと、お腹に優しくないのです。ですので各社メーカーは捨てるように記載しています。
溶ける場合もある
通常はガムを噛んでから捨てる間に、溶けて口の中で無くなってしまうことはありません。ですが、コーヒーやお茶と一緒に噛んでいるときは別です。
ガムで有名なロッテに以下の記載がありました。
温かいお茶やコーヒーを飲んで口の中の温度が上がったり、油脂が含まれている食品を食べた後に噛んだりしますと、ガムが柔らかくなり溶ける場合があります。
ガムは、温度と油に溶けやすい性質があります。
出典:LOTTE
なるほど、ガムは温度に弱いという事が分かります。しかし基本的に吐き出すように指示しているにもかかわらず、ハイチュウのように溶けてしまうのもどうなのでしょうか。
温度以外でも溶ける場合があるそうです。日本チューイングガム協会というサイトにこのような記載があります。それはガムとチョコを一緒に食べると、これまた溶けるとのこと。
ガムは口の中の温度で、ほど良い硬さになるように作られています。
一方チョコレートには、ココアバターという口中温度で溶ける軟らかい油脂が含まれています。だから一緒に食べると、この油脂がガムを軟らかくして、溶かしてしまいます。チョコレート以外の食品でもこういうことがおこりますので、ガムとほかの食品を一緒に食べないようにしましょう。
出典:日本チューイングガム協会
温度だけではなく、油や脂肪が溶ける原因になるのです。では溶けても溶けなくても、飲み込んでしまった場合はどうなるのでしょうか。
ガムをうっかり飲み込んでしまったら
これは先程消化吸収が悪いと伝えたように、実は便からそのまま排出されます。胃や腸内で消化吸収されないという事です。便で出るからといって、食べてよいということではありません。お腹の調子がゆるくなったり、元々消化吸収が悪いので出来るだけ出すようにしましょう。
万が一飲み込んだとしても、そういう性質を持っているからあまり影響は出ないという答えが正しいのではないでしょうか。
ガムは健康に良い?
最近では特定保健用食品や、キシリトールなどで歯の健康を保とうというCMなども良く見かけます。虫歯に予防効果があったり、歯茎を健康に保ってくれたりとトクホ商品は歯に良いといわれています。
キシリトールは天然素材の甘味料として、酸を作らず虫歯の原因菌を防いでくれるのです。ロッテメーカーが有名です。他にもリカルデントやグリコのポスカムなど、歯の健康を考えられた製品は多いです。
しかし歯に良いといっても、歯磨きを怠ってはいけません。プラークという汚れの虫歯の原因を歯磨きできちんと落とします、ガムはあくまで補助的なものとして考えましょう。