自動車や道路が今後ますます進化し、快適に安全になるというニュースは運転者なら歓迎されるべきことでしょう。接触事故などが起こる原因も、不注意や死角が原因などがほとんどです。ということは、それらを解決するように自動車を設計すれば安全がより高まるという事になります。
自動車には死角がある
死角とは見えない部分の事です。分かりやすく人間でいうと、目は前を向いているので後ろからボールが飛んで来ても気付かない、後ろは人間にとって死角だからということになります。これは人間だけでなく、自動車もそうです。自動車のポールや車体で周りが良く見えないことってあると思います。これがいわゆる死角で、サイドミラーやセンターミラーによってその死角を減らす工夫が自動車には施されています。
死角を無くするにはどうすればよいか
ミラー(鏡)だけでは限界があります。目視することは大事ですが、運転中に頻繁にきょろきょろするのも変えって危険が増します。そこで登場するのが機械で、バックガイドモニターもそういう死角を無くす為に導入されています。
バックする際にどうしても後ろが見えにくい、軽自動車ならともかくコンパクトカー・SUV・セダン・ボックスタイプ・トラックやバスなど大きい車や配送のトラックなどは後方の視界はかなり悪いです。天気が悪い日や雨天の日、夜間など更に悪くなる状況も多く、最近では前方だけでなく後方のドライブレコーダーもあるくらいです。
国土交通省が、道路運送車両法が定める自動車の保安基準を改定し、乗用車やバス、トラックに備わるすべてのミラーをカメラとモニターで代用することを認める。ドライバーの死角をなくす高性能カメラを普及させ、交通事故の減少を狙い、来年6月にもミラーが全くない新型車が公道を走れるようになる。
出典:<ミラーレス車>公道へ 「カメラで代用」国交省が解禁へ
興味深い記事が出ていました、国交省が自動車のミラー(鏡)の代わりにモニターで代用することを認めてくれる、とのことです。つまり、自動車からサイドミラーが消えるというのです。決して一眼レフカメラの、ミラーレスのことではありません。
社内でカーナビやバックガイドモニターのような場所に映し出される映像が、ミラーに映った映像と範囲や画質が同じ事が条件だそうで、当然と言えば当然の条件です。
車幅を減らせるだけでなく、少しでも多くの死角をモニター化することで安全に走行することが期待できます。
ミラーレスになることのデメリット
しかしミラー(鏡)がないことによるデメリットもあります。それは電子で動いているという事は、故障する可能性もあるという事です。よく見るのが、後ろのテールランプが片方しかついていない自動車です。気付いていないのか、わざとなのか、車検が通らないだけでなく後方への知らせが遅れ危険になる可能性があります。片方が切れたという事は、もう片方も切れる可能性があるわけで、危ないです。
そのように知ってか知らずか、切れていても平気で走行している自動車があるという事はミラーでも想像できてしまいます。壊れてても映っていなくてもまぁいいか、という安易な判断がミラーがあるときに起こらなかったような事故を起こす可能性が出てきます。
更に配線ミスや設置不備で角度が異なる映像になっていたり、映し出される場所が逆など異なっていたり、人為的なミスも起こらないとは限りません。普通そんなの気付くだろうと思っても、それは分かりません。高速道路で逆送が起きるように、居眠り運転が起こるように絶対と言う言葉は使えないのです。
特に期待する場所は?
ではどういうときに1番役立つのでしょうか。それは条件の悪いときの走行時です。
雨の日や車内に荷物を置いた時、ミラーでは見えにくいがカメラだと鮮明に捉えることができる。氷点下など厳しい気象条件でも故障しないよう性能を高めることが大切だ
出典:<ミラーレス車>公道へ 「カメラで代用」国交省が解禁へ
曇っていたり、霧が出ていたり、水滴が邪魔をしたりと、電子的制御でそのような映像をクリアに映し出せれば安全性は更に増すでしょう。載せている荷物が多かったり、人がたくさん乗っていて後方の視界が悪いときのバックガイドモニターのように、悪条件こそ力を発揮するシステムが望ましいのではないでしょうか。
高速道路の安全性
高速道路では事故も多く起こっていて、逆送や冬場のスリップなど他の車を巻き込んでの危険な状態が起こることがあります。
全国の高速道路では、2日に1回の頻度で逆走が発生しており、年間40件の事故が発生。逆走の約5割はIC、JCTで発生しており、運転者の約7割は65歳以上の高齢者、逆走車の約5割が軽自動車だという。
出典:高速道の逆走事故ゼロへ…国交省、自動車メーカーとの連携強化
なんと2日に1回は日本の高速道路で逆送が起こっているとの事。わざと走らせる人はまずいないでしょうが、間違えてお年寄りが迷い込むケースも良く聞かれます。
主な対策はポール・標識・センサーでの警告装置などが主流です。しかし設置しているだけでは気付かないケースもあり、今後は心理的な対策なども検討していくとの事。
ここから入ると危ないんじゃないか、逆なんじゃないか、そう思わせる画期的な工夫が生まれることを期待しています。確かに講習をしたり免許を取り上げるのは簡単かもしれませんが、都会とは異なり地方ではバスや電車の路線が無くなっていき、自分で自動車を運転しないと夕食も調達できないような環境が増えています。
少しでも安全に運転をということで、ぶつからない車やブレーキアシストやサポートなどを搭載した自動車も増えています。自動運転の自動車も実用化間近で、ますます安全に対しての意識対策が急務となってきました。急がずに譲り合えて、安全にドライブができるに越したことはありません。