中古車で買うにしろ、新車で買うにしろ、きちんと動くのは当たり前ですがリコールという問題に直面する事が多々あります。では、リコールというのはそもそも何なのでしょうか。今回発表された不具合と並行して確認していきましょう。
リコールって簡単に言うとどういうもの?
リコールとは一言で言うと、「設計や製造時に問題があったので回収し修理する」ということです。回収するのは自動車メーカーで日本車で言うと、TOYOTA(トヨタ)・HONDA(ホンダ)・MAZDA(マツダ)・NISSAN(日産)・SUBARU(スバル)・MITSUBISHI MOTORS(三菱)・SUZUKI(スズキ)・DAIHATSU(ダイハツ)・レクサス・いすずを指します。
国土交通省の管轄で、不具合の収集を行い取り組み状況や届出を精査します。メーカーが行なわない場合は、国交省自らが勧告や命令を行なうことがあります。
年間平均300件近く起きていて年間500万台→700万台→900万台と年々不具合が増えてきています。原因は、海外の安い部品を調達した事による弊害や、制度が厳しくなりきちんと報告しないといけなくなった等、様々な原因が考えられています。
この台数ですので、私達が普段乗っている自動車にも該当する可能性は大いにあるでしょう。ではどんなトラブルがあるのでしょうか。
リコールによるトラブル例
細かい内容については専門用語が多いのでここでは扱いませんが、主に以下の装置での不具合が多くなっています。
・動力伝達装置
・電気装置
・制動装置
・燃料装置
・原動機
・かじ取装置
・灯火装置
・車枠・車体
・走行装置
・排出ガス発散防止装置
・乗車装置
・緩衝装置
エンジンがかからなくなったり、発火する恐れがあったり、テールランプやヘッドライトが光らなくなったり、衝突時の性能が劣っていたり様々です。室内灯が着かないなどの不具合ならマシですが、高速道路でエンジンが急に止まったりすると命に関わります。
ホンダと三菱の不具合対象者は70万台以上という数
今回発表された不具合は、ホンダと三菱自動車です。
ホンダでトップクラスに売れている主力製品が、今回入っています。N-BOX(エヌボックス)とN-WGN(エヌワゴン)です。
「N-BOX」「N-BOXカスタム」「N-BOX+」「N-BOX+カスタム」「ヴェゼル」「N-WGN」「N-WGNカスタム」「フィット」「N-ONE」の9車種が対象となります。
製造日:2013年7月12日~2014年8月26日
対象車:25万4317台
出典:【リコール】ホンダ N-BOX など25万台、エンジン停止のおそれ
点火コイル内部の電気ノイズを除去する雑防抵抗の構造が不適切なため、点火時の通電によるアーク放電により、当該抵抗端末部が断線するものがある。そのため、点火コイルの出力が不足してエンジン不調となり、エンジン警告灯が点灯。エンジンが停止するおそれがある。
エンジンが止まる恐れとのこと、怖いです。売れている軽自動車だからこそ、対象者は多くなります。ホンダが調べて発覚したわけではなく、市場から456件の不具合が本部に報告され、検証した結果回収しなくてはいけないと判断されたようです。
三菱自動車の主力製品の「eKワゴン」などのekシリーズ4種に不具合です。そして実は日産自動車にOEMとして提供しているので、日産「デイズ」も不具合の対象となっています。
製造日:2013年4月~15年6月
対象車:45万1369台
制御プログラムやエンジンの排ガス再循環(EGR)装置の不良で、エンジンが掛からないなどの不具合が計2746件あった。14年8月には神戸市北区で、走行中にエンストして側溝に脱輪する事故が1件発生したが、けが人はいなかった。
2,746件不具合があったそうで、こちらはエンジンがかからなくなる不具合だそうです。ホンダの不具合件数456件に対して、2,746件とのこと。人命に関わる事態に陥る前に、少しでも早く対応して欲しいものです。
不具合が判明したらどうすればよい?
不具合発生がわかった場合は、基本的には新車でディーラーで購入された方にはお知らせがいきます。主にハガキや電話などで連絡が来るので待ちましょう。少しでも早く対応して欲しい場合は、直接購入店へ連絡しましょう。
なお中古車で購入した場合は、連絡は来ません。新車時の前の持ち主の元へ連絡が来ても、次の持ち主へ連絡する義務は無いからです。その場合は、自分で対象者かどうか調べる必要があります。
こちらから調べることが出来ます。その際は「型式/型番」や「車体番号/シリアル番号」が必要になるので予め準備しましょう。
海外を渡る日本の中古車
スリランカという国をご存知でしょうか。そこではメイドインジャパンの、軽自動車の中古車が大人気です。
出典:“ガラ軽”がスリランカで爆売れ! 「メード・イン・ジャパン」のブランド力は健在
日本から海外に輸出される中古乗用車の平均価格は60万~70万円だが、スリランカ向けは150万~200万円で推移している。輸入関税もかかるため、現地では250万~300万円になる可能性がある。深尾氏は「それだけの金額を払ってでも乗りたいと考える消費者がスリランカのような新興国には多くいる」と指摘する。
驚きの実態です、60万円ほどの自動車がスリランカでは250万円以上で売れるというのです。特にワゴンRやアクアが人気だそうで、2015年7月の海外中古車輸出数は、4,255台の内2,185台がスリランカ向けに輸出されているとの事。
軽自動車業界では有名な話だが、自社の名義でナンバー登録してから転売するやり方が増えている。未使用車も中古車として販売しているので、中古市場が潤っているというわけだろう。
だが今回のように、メイドインジャパンといえど不具合やリコールが増えている。海外で購入したお客にまでリコール情報が行き届いているとは言えないのではないだろうか。自動車は売って終わりではなく、ずっとお付き合いしていく品物なのでアフターケアの重要性が増しているのは言うまでもないだろう。