WindowsやMacintoshといったパソコンは中古市場でたくさん販売されています。パソコンは消耗品ですので寿命が来ます。パーツを交換すれば長持ちしますが、故障箇所を特定するのが難しく壊れたらそのまま買い替えをする方が増えています。そんな時に目を引くのが格安で購入できる「ヤフーオークション」や「メルカリ」といった中古市場です。しかし中にはadobe(アドビ)製品が始めからインストールされているものが売られていますが、絶対に購入してはいけない理由があります。
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中古市場で売られている販売者は2種類
オークションで中古パソコンを買う相手先として「ストア」「個人」の2種類存在します。ストアの場合は保証や会社概要に代表者の名前や住所・電話番号といった特定商取引法に基づく表記がされています。届いた商品のトラブルや事前に相手の居所が分かる点では安心ですが、商売ですので価格は高くなる事があります。
個人の場合は落札してからでなければ個人情報は分かりませんが、ビジネスではなく趣味の範囲で行っている方がほとんどなので、価格は安くなります。
この時にパソコンと一緒に「おまけ」や「プリインストール(最初からパソコンに入れている)」ソフトを付けている方がいます。それはadobe製品であったり、microsoftのOffice製品だったりします。しかし中には怪しいものが多く注意しなくてはいけません。
こんな中古パソコンの販売され方は注意すべき
中古パソコンの販売ページでこんな表記を見かけることがあります。
「Adobe CS6」もしくは「Adobe CreativeSuite CS6」といったものです。これはAdobeが2012年に販売した製品で主に下記のソフトで構成されています。
・Photoshop(フォトショップ) CS6
・Illustrator(イラストレーター) CS6
・Flash Professional(フラッシュ) CS6
・Dreamweaver(ドリームウィーバー) CS6
・Fireworks(ファイヤーワークス) CS6
・After Effects(アフターエフェクト) CS6
・Premiere Pro(プレミアプロ) CS6
全て揃っている「Master Collection(マスターコレクション)」の場合、定価は33万4950円(税込)という値段です。他にもインデザインやアクロバットも含みますが、デザイナーや映像製作者にとっては必要なソフトでかなり高価です。
これらが既にインストールされた状態で販売されているのですが、通常はインストールをするためのCDが付属しています。「大きなパッケージ」「CD」「シリアルナンバー」「説明書」など、これらが付属せずにデータだけというのもおかしな話です。
これら全てが揃っており、しかも高性能なパソコンが僅か数万円という激安で販売されています。これは一体どういう事でしょうか、中古ソフトだけで10万円は超えるはずが、パソコン本体と合わせて数万円・・・これは正規品でない可能性が非常に高いと言えます。
中古パソコンのadobe製品は違法な海賊版が多い
オークションの出品者の評価を見てみると、例えば良い評価150に対して悪い評価は5といった具合で特に問題無さそうに見えます。しかしその5を良く見てみると「海賊版が入っていた」「クラック版で警察に通報した」といった内容で埋め尽くされています。
つまりこれはパソコンだけの値段で、adobe製品は海賊版・不正にクラックして無料で手に入れたものをインストールして販売していると思われます。かなり昔のパソコンにこれらをインストールして、3万円という価格のものもありました、ありえない値段です。
私はimacに興味があり試しに「imac adobe」と検索すると、出るわ出るわ・・・IDこそ違いますが恐らく同じ業者でしょう。他にもmacの場合、FinalCutPro(ファイナルカットプロ)やVectorWorks(ベクターワークス) Logic Pro X(ロジックプロエックス)、といった有料のソフトまで付けている場合があります。激安の為かなりの入札が行われていました。しかしこれに手を出してはいけません。
中古のadobe製品はライセンス違反になる?逮捕される?
まず海賊版やクラック版は違法です、絶対に手を出してはいけません。そしてadobe製品をインストールして譲渡することは禁止されています。譲渡には正式にadobeによる「ライセンス譲渡手続き」を踏まなければなりません。
現在のadobeではCloud(クラウド)型、つまりインターネットに接続された状態で使用できる月額制のプランへとソフトを移行しました。これは前述した海賊版・クラック版の対策でもありますし、少しでもadobe側に利益を残すためです。
もし購入した中古パソコンにadobe製品が入っていた場合、不正なソフトの可能性が極めて高いので、知っていて使用すれば使用者が逮捕されるかもしれません。届いて不正なソフトと分かればすぐに返品することが大事で、警察とadobeに通報しましょう。
不正業者は購入した顧客情報のリストを持っています、つまり不正業者が逮捕されれば芋づる式に利用者にまで捜査の手が伸びる可能性が十分にあるのです。実際にポルノを販売した業者が摘発され、顧客リストに警察官がいて書類送検されたケースがあります。同じように不正ソフトも摘発される可能性があるのです。
中古パソコンにマイクロソフトOffice2016も怪しい?
中にはadobeだけでなくマイクロソフトのオフィスが入れられているパターンもあります。しかしこれは正式なライセンスの可能性もあります。というのもメーカー製(富士通・ソニー・NEC)にバンドルされて、つまり最初からインストールされた製品が多数販売されているからです。
ということは、それ以外のBTOや自作パソコンの場合は後からインストールされています。その場合は海賊版・クラック版を疑うべきでしょう。入札前に質問で聞いてみてください、「その製品は海賊版やクラック版ではなく正式なライセンス製品ですか?」と、恐らく濁すか答えられないでしょう。そこで正式なライセンス版と答えて、届いた商品が不正なものなら返品や訴えも可能でしょう。
見分け方は正式なライセンス版なら「譲渡証明書」が付いているからです。もしくはadobeやマイクロソフトに問い合わせすれば現在のアクティベーション(シリアル1つに付き2台までしかインストール出来ない等)状況も分かるでしょう。
中古パソコンは不正ソフトが仕掛けられている場合がある
ネットカフェで話題になった「キーロガー」というのをご存知ですか?これはキーボードで何を入力したか盗み取るソフトで、機能自体はウイルスとは言えません。このように中古パソコンには何が仕掛けられているか分かりません。銀行にログインした翌日にお金が引き出されていたなんてことも・・・リスクがとても高いでしょう。きちんとした業者ならばパソコンを初期化して、購入した状態に戻して販売するはずです。データを残した状態での販売は常識的にありえません。
もし中古でパソコンを買う場合は、業者で数千・数万件の取引実績があるところや、有名BTOメーカー(ドスパラ・ツクモ・パソコン工房・デル・HP・マウスコンピュター)といったある程度名前が通っているところが良いでしょう。中古パソコンは消耗品でパーツがダメになる場合がありますし、5世代前のCPUやグラフィックボードが搭載されて、悪質な場合は素人をカモるために「最新で高速の~」と謳っている所もあります。よほど詳しくない限りは手を出さない方が無難です。