初心者でも動画編集したい!「Premiere Elements」と「Power Director」のどちらが良いか

youtubeやニコニコ動画のゲーム実況や、結婚式やビデオ編集など動画を編集するにはパソコン用のソフトが必要です。無料のソフトもありますが、逆に扱いが難しかったり出来ることが限られていたりと痒いところに手が届きません。いろいろ試してみた結果、最終的に2つのソフトに絞られました。初心者・素人でも使いやすいソフトはどちらでしょうか。

Adobe Premiere Elements(アドビ プレミアエレメンツ)について


アドビと言えば「Photoshop(フォトショップ)」や「Illustrator(イラストレーター)」が有名です。Premiere Elements(プレミアエレメンツ)は映像編集ソフト「Premiere Pro(プレミアプロ)」の簡易版という名の廉価版です。といっても中身は月とスッポンで、全くの別物といっていいほど性能に差があります。

Premiere Elements(プレミアエレメンツ)は、買い切りタイプのソフトで、17,064円(税込)です。Premiere Pro(プレミアプロ)は今までのような「買い切りタイプ」ではなく、使いたければ一生お金を払い続ける月額・年額制度のソフトです。これ1つで、月額2,180円、年額26,160円かかる商品です。仕事で使う場合は月額2,980円、年額3,5760円かかります。

CyberLink Power Director(サイバーリンク パワーディレクター)について


サイバーリンク社と言えば「PowerDVD(パワーディーブイディー)」や「Power2Go(パワーツーゴー)」が有名です。ビデオ編集ツールとしてPowerDirectorがあり、シリーズが「Ultra」「Ultimate」「Ultimate Suite」「Director Suite」がありますが、色や音の編集ソフトが別に付属しているかどうかの違いがあるだけです。基本的には単体の「Ultra」で問題ないでしょう。

Power Director(パワーディレクター)は買い切りタイプのソフトで、12,980円(税込)です。Premiere Elements(プレミアエレメンツ)より4,000円安くなっています。

どちらも体験版では全ての機能が使える

どちらのソフトも公式サイトから30日限定で使用できる無料体験版が配布されています。どちらも1年に1回は最新版が発売されているので、新しいOSの場合は特に問題なくインストールして使用できます。どちらも体験版の為「透かし」が入りますが製品版では入りません。

ではどちらが初心者にとって使いやすいのでしょうか。それぞれを使用した違いを確認しましょう。

さすがアドビ、ソフトは良くできているが・・・

Premiere Elements(プレミアエレメンツ)2018は今までフォトショップやイラストレーターなど扱った事がある人なら、直感的に操作をすることが可能です。基本的な機能は網羅していますが、そこはアドビ、操作や性能にクセがあります。写真や映像のカットを多用する程度の事はできますが、パソコンのパワーがある程度必要です。

気になった点としては「ブルーレイディスク」への映像の書き込みが出来ないことです、AVCHDへの書き出しもできません。書き出しは「DVDのみ」となっています。

テキスト(文字)を多用する動画の場合、よく使用するテキストは形式を保存しておきたいものです。それを「スタイル」として保存しておこうとすると私の環境では「きちんと保存できない・編集できない」時がありました。押しても反応が無かったり有ったりと不安定です。

同じ形式でコピペして多用したい時があります。上記でビデオ3にテキストを配置して、同じ形式で再度使用しようとコピー&ペーストをすると、どちらか一方を編集するともう片方も同じ挙動をしてしまい、使い分けることが出来ません。1つは「あいうえお」と打ってもう1つに「かきくけこ」と打つと、先程の「あいうえお」が「かきくけこ」へと連動してしまいます。これを防ぐ手段があります。

エキスパートモードの「プロジェクトのアセット」から該当項目を右クリックして、「複製」をクリックします。そしてクリップの名前が異なったのを確認してから、それぞれをドラッグ&ドロップで別々に配置して別々に編集すると解決します。これは配置してから名前を変更する事では解決しません、配置する前に複製しておく必要があります。

最大のデメリットとして「Altキー」を使ったドラッグによる複製が効きません。Premiere Pro(プレミアプロ)の場合は可能ですが、Premiere Elements(プレミアエレメンツ)ではポンポンポンと、次々に配置していくことは出来なくて1つずつ「プロジェクトのアセット」を開いてクリックし、いちいち複製しなくてはいけないのです。CTRL+C(コピー)してCTRL+V(ペースト)しても複製ではなくあくまで「コピー」の為、連動して使えません。

凝った動画を作るとき、これが本当に面倒です、恐らくPremiere Pro(プレミアプロ)に移行してほしい為でしょう。

サイバーリンク、劇的にパワーアップしている?

かなり昔(10年程前)サイバーリンク社の「PowerDVD」という動画再生ソフトを使ったことがあったのですが、これが「これが製品?冗談だろ」というくらい不具合が多すぎて使い物になりませんでした。そのイメージもあってか全く期待していなかったのがPower Director(パワーディレクター)16です。

使った感想としては前述したPremiere Elements(プレミアエレメンツ)の悪いところがほぼ全て解決できました。

このようにDVDだけでなく、Blu-ray Disc(ブルーレイディスク)への書き込みを行うことが出来ます。もちろんAVCHDへの書き出しも可能です。

こちらもAltキーこそ効きませんが、CTRL+C(コピー)してCTRL+V(ペースト)すればポンポンと配置でき、しかも別のものとして配置した瞬間に「複製」として扱われ連動しません。テキスト文字を多用する動画にはコレがどれほど効率よいか・・・、とてつもない威力を発揮してくれます。

アドビは別途参考書・解説書を2,000円程出して買わないと分からないところが多いのですが、Power Director(パワーディレクター)は購入時にインストール用CDと本がセットになっています。分かりやすいと評判ですが、逆にこれが付いていなければ解説本が書店では売っていないのでユーザーが困る事になります。

Power Director(パワーディレクター)はパソコンのパワーを必要とせず(書き出し時のみ必要、といってもアドビ程ではない)動作も安定しています。というのもバージョンが10を超えたあたりから、劇的に使い勝手がよくなったのです。サイバーリンク社の製品のレベルは一昔前とは、比べ物にならないほど上がっているのです、驚きました。

アドビって大したこと無いのかよ、と判断するのは待ってください

じゃあ天下のアドビって大したこと無いな、と判断するのは早計です。あくまでも入門用のPremiere Elements(プレミアエレメンツ)の事であり、Premiere Pro(プレミアプロ)は価格が段違いなのもあり化け物級です。プロ御用達と言われているだけありますが、趣味の範囲で使うには敷居が高すぎます。

Premiere Pro(プレミアプロ) >>>>超えられない壁>>>> Power Director(サイバーリンク パワーディレクター) >> Premiere Elements(プレミアエレメンツ)

と、こういう感じにすると分かりやすいでしょう。あくまでもエレメンツを使うなら、パワーディレクターの方が、初心者には使いやすいし安くて低スペックでも使えます。

ただし動画や映像のプロを目指すならプレミアプロを将来的に使う(いきなりは使いこなせないので止めたほうがいい)方が良いでしょう。私はアドビのフォトショップやイラストレータを使いながら、サイバーリンク社のパワーディレクターで動画を作る道を選びました。