前にテレビで「ゴミ屋敷の床が抜けて」大惨事になったというニュースを見ました。ゴミ屋敷と聞くと部屋に大小たくさんのゴミが散乱し、部屋全体を覆いつくすというものですが、ペットボトルや弁当も多いので比較的軽い部類に入ります。中身入りのペットボトルは重いですが、ゴミ屋敷でなくても漫画や雑誌を大量に置いてある部屋でも同じように「重量問題」で床が抜ける心配が出てきます。大人30人・本は6,000冊という噂を聞きましたが、本当かどうか計算してみましょう。
一概に部屋といっても形状が異なる
例えば6畳の部屋があったとします。6畳というのは平方メートルに換算すると「10.9443」平方メートルです。坪に直すと「3.31065」坪です。
しかし6畳というだけで○○○キロまで耐えられる!という数字は断定できません。なぜなら耐震補強・構造・木の組み方・寸法・間取りの構成で耐えられる重さが異なるからです。縦長の6畳部屋もあれば、正方形の部屋もありますし「L」のように曲がっている部屋もあります。
一般的な6畳の部屋は何キロまで耐えられる?
日本には「建築基準法」による「積載荷重」という項目があります。そこから考えると下記のような重さが基準となります。
「住宅の居室」の床は、人や家具などを1平方メートルあたり1800N(約180kg)以上載せることができるように設計するということになります。180kg/m2というと1平方メートルに大人約3人で、10畳のリビングなら大人約50人分の荷重があるとして、其れに耐える設計をすることになります。
日本建築構造技術者協会で明記されているのを見ると、1平方メートル当たり180キロというのが基準となるようで、10平方メートルで1800キロ、1.8tとなります。
もちろん部屋に満遍なく重さがかかっているのか、特定のエリアに集中しているか、動かしたり例えば人間の場合飛んだり跳ねたりすると負荷は変わってきますので「一種の目安」と言えます。設計段階ですので、建築不良・違法建築・増築の場合はこれに当てはまらない可能性もあります。
漫画は何冊で1,800キロになるのか?
週間か月刊かA4/B6などサイズも様々でコミックにもよりますが、1冊約200gと仮定します。5個で1キロ、50個で10キロという計算です。
コミックの重さ | 数量 | 総重量 |
200g | 1冊 | 200g |
200g | 10冊 | 2kg |
200g | 100冊 | 20kg |
200g | 1,000冊 | 200kg |
200g | 10,000冊 | 2,000kg |
6畳の目安 | ||
200g | 9,000冊 | 1,800kgまで |
8畳の目安 | ||
200g | 12,000冊 | 2,400kgまで |
10畳の目安 | ||
200g | 15,000冊 | 3,000kgまで |
この計算式でいくと単純計算ですが、6畳の部屋で漫画本は9,000冊が目安となってくるでしょう。しかしこれはあくまでも「200gの本」に限定したものであり、テレビやベッドに本棚といった他の重いものを置くと更に置くことのできる冊数は少なくなります。
CD/DVDやブルーレイもあったり、辞書や大型の本があれば更に状況は変わってきます。仕事でコピー用紙を数千枚単位で持ってみたことがありますが、腰が抜けそうで紙も数が増えるとかなりの重さになります。
注意したい部屋に置くと「重い」荷物とは
一人暮らしや自宅が狭くて部屋に様々な道具・荷物を置いている場合は、その重量を考慮する必要があります。例えば重い物はこのようなものです。
どんな物? | 重さ |
冷蔵庫 2ドア 121L | 35キロ |
冷蔵庫 5ドア 406L | 95キロ |
全自動洗濯機 4.5kg | 30キロ |
全自動洗濯機 7.0kg | 35キロ |
ハイビジョン液晶テレビ 24インチ | 5キロ |
ハイビジョン液晶テレビ 32インチ | 6キロ |
ハイビジョン液晶テレビ 49インチ | 15キロ |
折りたたみベッド | 30キロ |
階段つきのロフトパイプベッド | 85キロ |
デスクトップパソコンと液晶21.5インチ | 5キロ |
230冊入る本棚1つ | 15キロ |
センターテーブル | 12キロ |
ざっと見てもこのような物があり、一人暮らしと仮定すればどれくらいになるのでしょうか。軽いもので見積もります。
・冷蔵庫 2ドア 121L
・全自動洗濯機 4.5kg
・ハイビジョン液晶テレビ 24インチ
・折りたたみベッド
・デスクトップパソコンと液晶21.5インチ
・230冊入る本棚1つ
・センターテーブル
これだけで132kgになります。1150冊置こうとすれば本棚をあと4つ足すと192kgで、人間の体重が60kgとすればこれだけで252kgとなります。
1,800kg-252kg=1,548kgでこれを200gで割ると置くことが可能な本は「7,740冊が目安」となります。これ以上置くと床が不安になり、これに達しなくても部屋内で動いたり服や小物が増えると冊数は減ります。
アパートやマンションで床が抜けた場合は賃貸・分譲に限らず損害賠償ものですし、一戸建てでも家の倒壊や半壊を引き起こし、近隣住民に迷惑をかける可能性もあります。古い本は中々売ったり捨てたりできなくて溜まりますので、電子書籍に変更している方が増えています。しかし長時間本を見るのは画面では疲れますし、データが飛んだりサービスが終了すると見れなくなる可能性もあります。
どちらが良いかは一概には言えませんが、部屋に本がたくさんある方は「鉄筋」ではなく木造住宅に住んでいる方は、重量に注意しましょう。