新聞をポストに入れる常識、アメリカでは通用しないのはどうして?

新聞を購読すると通常は「ポスト」に投函されます。それはスポーツ新聞、朝日新聞・毎日新聞・産経新聞などに関わらずポストに投函されるのが日本では常識となっています。逆にポストに投函されずに玄関の前に置かれようものなら、営業所や本部にクレームの電話がかかってきます。しかしアメリカではポストに入れることはまずありえません。

新聞はポストに投函されるもの

日本では新聞を購読すると、「朝刊」「夕刊」に関わらずポストに投函されます。現在ではアプリ版や電子版、英語版といった購読媒体も増えており、値段も異なりますが投函してもらっている方が大多数を占めています。ポストに投函するのが原則ですが、入らない時はどうするのでしょうか。

ポストに入らない新聞はどうなるのか

新聞配達員の方が新聞を入れようとしたときに、ポストが小さい・または新聞の量が多くてポストに入りきらないときがあります。その場合はどうするのでしょうか、まさか地面に置いたままにしておくわけにもいきません。

ビニールの袋に入れてドアノブにかけたり、呼び鈴を鳴らして手渡しすることもあります。しかしドアノブにかけると、誰にでも持っていかれてしまうため、無理やりにでも郵便ポストに詰め込む事がほとんどです。そうすると取り出すときにパンパンに入っているため、苦労することがあります。2人がかりで何とか引っ張り出したなんていう経験ある方もいます。雨の日はビニールの袋に入れて、新聞が濡れないように配慮されています。

アメリカでは新聞をポストに入れることは無い

アメリカでは新聞を届けるときに、ポストは存在しても入れることはほとんどありません。なぜなら州によってポストへの投函が禁止されているためです。

新聞配達員が車で来ようがバイクで来ようが、ポストではなく庭や玄関へ投げられます。基本的にはビニール袋に入れられているので、雨の日でも大丈夫です。

禁止されていようがいまいが実際のポストへの投函は、現実的に「不可能」とされています。なぜポストへ入れることが不可能・もしくは難しいのでしょうか。

郵便ポストには、法律上入れることはできない。
というより、物理的に不可能である。
日曜版などはページ数が150ページ近くあり、
チラシが約400枚、総重量は1キロを優に超える。

メイン、スポーツ、ビジネス、募集、不動産、旅行、アート、
テレビ番組、クルマ、グルメと盛り沢山な内容。
これに、クーポンのページが入るので、電話帳くらいの分厚さになる。

出典:「新聞配達」はつらいよ。 ロイ大畠@アメリカの不思議、ぜ~んぶ見せます。

日本でもチラシが大量に同梱されることはありますが、さすがにここまでの量ではありません。GW(ゴールデンウィーク)、お盆休み、年末年始は大量にスーパーや家電量販店等のチラシが入りますが、400枚なんていうのはまずありえません。

ここまで量が多いのでポストへ入れることが無理なのです。しかし投げることが多い場合、軽い砲丸を投げているようで、ドスッという鈍い音がします。これが2階の場合、下から投げるので物や壁に当たったり、失敗して何度も投げ続けると朝から睡眠を妨害されるほどうるさく感じるのも事実です。

投げられるのが嫌ならチップを渡す?

アメリカではチップが有効です、それは「礼儀」として「ありがとう」という意味でも使われます。もしも投げられずに持ってきて欲しいのなら、チップを渡すことも念頭に置かれます。

週末版のみを購読してたので新聞の厚みがチラシを合わせて10cmほど(毎週、日本のお正月状態)になり、配達時はとても投げられる厚さ(重さ?)ではありません。最初は、ドライブウェイの入り口付近に「ドサッ。」て置かれてましたが、Xmasプレゼントで日本のポチ袋に20$入れて差しあげたら玄関口のひさしの下まで置きに来るようになりました。

出典:アメリカの家に住んでいると新聞投げられる?

チップを渡すことで付加価値をつけてもらうという手もあります。しかしアメリカは日本とは異なり、自宅の敷地の広さも異なりますし、庭が大きいとポストまで歩くのにかなりの距離がある所もあります。

考えてみてください、雪が積もるような地域で庭が広いと、朝早くに雪道を通ってポストまで行かなくてはなりません。それが玄関近くまで投げてもらえる、それだけで便利だと感じれるようになりませんか。

アメリカでは新聞はニューススタンドで買うもの

20170101-3日本では朝早く起きて朝刊の新聞を取り、家に帰ってきて夕刊の新聞を取るというのが一般的です。電車通勤やバス通勤の場合は、近くでスポーツ新聞を買って読むという方はいます。しかし朝日新聞・毎日新聞・読売新聞・産経新聞のようなものは1回1回購入して読む方は限りなく少数派です。駅で毎日買うぐらいなら、定期購読したほうが便利で安くすむからです。

アメリカでは大抵の場所に新聞が置かれています。全国紙というよりはどちらかというと地方紙の方が充実しており、特に日曜版のボリュームはすごいものです。ニューススタンドとは簡単に言うと、駅にある小さいコンビニのようなもので新聞をメインに販売している場所です。ほとんどは50セントから1ドルで購入できます。

日本では新聞投げは浸透しない

日本ではお金を払ったサービスに対して、きちんと丁寧に扱うことが求められています。投げるようなことをすると、汚れたり雑だといって苦情になることでしょう。

投げてくれた場合、どのような時ありがたいのでしょうか。例えばオートロックのマンションなど、1階までわざわざ取りに行かなくてはいけない場合、ベランダに投げ入れてくれれば楽に取ることも出来ます。ただし投げるのをミスして隣のベランダに入れた日には目も当てられません。(野球で言うところのイップスやノーコン)層考えると、日本ではよっぽどの田舎でない限り、庭はそう広くないのでポストに投函するやり方が合っているのだといえます。