中華料理の回転テーブル(ターンテーブル)のマナーと、日本製が第1号として作られました

本格的な中華料理屋に行くと回転するテーブルを見かけます。中華料理と聞くと中国を思い浮かべますが、実はメイドインチャイナの中国製ではなく、最初の1号機は日本が発祥の地でした。中国の歴史ではなく日本の歴史上に刻まれた、中国にまで使われている回転テーブルは日本の職人の手で広まったのです。

回転テーブルとは?

中華料理屋に行くと、料理を乗せるテーブルが回転する形式になっている事があります。これは団体客で行くと座るテーブルの場所で、料理が回転するテーブルの上に乗せられるのです。

なぜテーブルが回転するか、それは団体で行く際に料理が各自で取りやすくする為です。では回転しない場合はどうなるのでしょうか。答えは、座った状態から立って皿を持ち料理を取る為に身を乗り出す必要があります。

現在ではオーブンレンジなどでターンテーブルとしても活躍していますし、調味料やフルーツを盛り付ける為に自宅用の小さいターンテーブルも販売されています。他にもケーキを乗せたりテレビを乗せたりと、様々な場面で回転台としても使われています。

ルーツ・発祥の地とは?

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出典:目黒雅叙園

結婚式場・料亭として東京の目黒にある「目黒雅叙園(めぐろがじょえん)」という場所が発祥の地と言われています。

中華料理店で一般に見られる円形のターンテーブル(二層構造の円形テーブル上部に料理を載せ回転させることで取りやすくするもの)も1931年(昭和6年)細川力蔵の考案で、その後に中国大陸へ伝わったもの、という説もある

出典:目黒雅叙園 wikipedia

創業者の細川力蔵という方が「座ったまま料理を取り分ける方法が無いか」と考えたことで、回転テーブル(ターンテーブル)が生まれたそうです。その後は中国でも取り入れられ、今では世界各国で使われる存在となりました。

当時は座敷が多かったため、テーブルに椅子で座ってではなく、座敷用のテーブルとして回転するテーブルが作られました。それをみた華僑の方が、中国に持ち帰り全国に広まったのです。世界で始めに作られた第1号機はメイドインジャパンの日本製品なのです。

確かにあれを初めてみた時は、「何て面白いテーブルなんだ!」と感じたのを覚えています。元々は日本の料亭と言うだけあり、内装や外装、庭園に至るまで素晴らしい装いでした。技術レベルが高く、それらを請け負った宮大工に頼んだのだとか、さすが一流は素晴らしい作品を作ってくれます。

回転テーブルにもマナーが存在します

この回転テーブル、取るときにただ回せばよいというものではありません。取る際や回し方にもマナーというものが存在します。これらは少し特殊で和食・洋食といった場所にはこういったマナー存在しません。

【マナー1】
入り口から最も遠いところが上座に当たります。そこに主賓が座り、その次に主賓からみて左・主賓から見て右の順番になります。その後も左右の順番に交互に座っていきます。入り口に1番近いところは下座となります。

【マナー2】
着席後に挨拶が終わってから、ナプキンを取り膝の上に乗せます。

【マナー3】
回転テーブルは皆の共通のお皿だけ乗せて、瓶や倒れると危ないものや「取り皿」は乗せてはいけません。

【マナー4】
主賓から取っていき、時計回りに取っていきます。全員が取り終えるまでは食べてはいけません。

【マナー5】
回転テーブル(ターンテーブル)は席を立たないで料理を取ること、を目的に作られたものです。立ちながら取るのはマナー違反です。

全員が取って食べ始めたら、後は食べたい人が好きに回して問題ありません。接待などの場合は、料理につき1枚を消費しますので、食べ終わったらお皿は重ねておきましょう。

家族や友達といくときは気楽に回しながら、楽しんで食べましょう。ですが、割れ物やあまり早く回すと汁が入っているものはこぼれますので注意が必要です。子供がいる場合は無茶な回し方をしないように教えてあげてください。