自動車免許の更新の際に、最寄の警察署や更新センターへ行く必要があります。もちろん無事故・無違反のゴールド免許の方や、違反行為があったので講習が長い方など手続きは様々です。通常の免許更新費用とは別に「交通安全協会」という費用も存在します。昔はほとんどの人が加入していたこの組織、今現在はどのようになっているのでしょうか。
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5年ぶりに免許の更新へいってきた
ゴールド免許なので5年ぶりに、自動車免許の更新へ行ってきました。働いているサラリーマンの場合は、日曜日しか行ける日がありませんのでとにかく混んでいます。多い時は建物の外まで数百人並んでいる場合も・・・。
通常は月曜日から金曜日までの平日と、日曜日が開いています。免許書を紛失した場合は日曜日ではなく平日に行く事になり、日曜日に対応してくれる内容というものは平日より種類は少なくなっています。午前中と午後に分かれている場合は、午前中に行きましょう。昼からはとにかく混みます、場所によっては外まで並んでいるところもあるので・・・朝の開門前の少し早めに行って並ぶのが1番楽です。
着けば受付に行き「免許書」「更新ハガキ」「お金」を用意しましょう。最近ではICカードになっているので、4桁のパスワードを2つ書く必要が出てきます。
受付で聞かれるこの言葉
「交通安全協会にご協力いただけますか?」と聞かれます。これは年会費が必要で、1年で300円~700円、3年900円~2,700円、5年1,500円~3,500円の会費がかかるとのこと。これは地域によって異なり、沖縄県が安かったり群馬県が高いなど地域差があります。更新料の他に余分な出費を迫られます。
ではそもそも「交通安全協会」って何なのでしょうか。簡単に言うと、道路交通の安全を目的としている団体です。運転免許の更新を県警から委託されており、その委託された費用で収入を得ています。
交通安全協会って入るべき?入会は義務なの?
昔はまるで義務であるかのように扱われていました、「もちろん加入していただけますよね?」さも入らなければいけないような言い回しで、警察署で言われると断りにくくなります。そして断ると難癖をつけられて、嫌な思いをする、というのが昔の交通安全協会でした。
加入が任意であることを十分に説明しないまま、あるいは全く無いままに、免許更新の事務窓口と同一の窓口において、加入手続きが行われており、利用者が加入を義務であると誤認するケースが後を絶たなかった。この問題に対する批判を受けて、2006年3月31日に「規制改革・民間開放推進3か年計画(再改定)」が閣議決定された。これを受けて警察庁は、各都道府県の警察に対し、会費徴収窓口と運転免許証更新受付窓口の分離などを含む、改善の指導を行った。この措置により、窓口を別にする等の措置が講じられたため加入者は激減した
きちんと説明されず、任意ではなく義務だという誤解が生まれるので悪質だと、国の指導が入ったわけです。このような話もすぐに広まり加入者は激減しました。減ったといっても元々が多すぎたわけで、適正な数になってきたといったほうが良いでしょう。
交通安全協会に入ることでのメリット(入らないデメリット)
最大の目に見えるメリットは、更新手続きの際に書類に自分で手書きで書かずに向こうの人がお手伝いをしてくれるというものだ。不公平ですが、こうでもしないとメリットが少ないのです。そして交通安全協会に加入すると、加入しない方の窓口より早く手続きが進行している傾向にあります。私が行ったところでは交通安全へ加入する人の手続きは複数の窓口があり、加入しない人の窓口は1つでした。
5~6年前ならば加入しないという方は、並んでいる人の状況を見るに3割くらいだったのが今回の免許更新の際は5割近くでした。しかし年配の方はそういった関心が無いのか毎年入ってたからか、加入率がかなり高い傾向にあります。
交通安全協会に入らない受付では、新人の若いお姉さんが1人でやらされているような対応で少し気の毒に見えました。通常の受付では年配の女性が対応し、確認項目が少ないのか余裕があるように感じました。
交通安全協会の勧誘はうるさくない
世間の目や報道などもあり、現在では強引な勧誘は行われていません。私自身も「交通安全協会に協力してもらえますか?」と言われ「入りません」と拒否すると、「では、次回のご検討をお願いしますね」と普通に話してくれました。
5年前は食い下がってきて異様な雰囲気だった気がしましたが、かなりマシになっていました。ですが、交通安全協会にあえて加入するというのも手、という意見もあります。それは、地域のお年寄りや子供達の交通安全にお金を出していて、一応実際に活動はしているからです。
夜や暗くなっても見やすい「光る服」や道路の「電飾」「注意看板」で注意を促しているのも事実だからです。他にも「チャイルドシートのレンタル」や「購入時の補助金給付」を行っている地域もあり、地域に貢献する、という意味では入会するのも悪くは無いのです。しかし使用用途に疑問を持つ方がたくさんいます。
実際の交通安全に使われるのは2割
「交通安全のため」「子供たちを交通事故から守るため」などを謳いながら、すなわち「交通安全」という、本来の目的に使われた事業費は、全体の20%の740万円に過ぎない。これはTBS系テレビ報道番組『JNN報道特集』の取材に対して、元兵庫県交通安全協会会長である松井敏男の証言によって明らかにされた。松井は同番組で「実際は給与です」と言い切った。
出典:交通安全協会費の使途
ほとんどが従業員の給与に使われ、交通安全用途にはあまり使われていないというのです。警察官のOB・天下りが多い組織でもあるので、お金に余裕はあるはずですが2割というのは使用割合が少ない気がします。天下りの高額な給与や賞与や退職金に使われていると思うと、何だかなぁ・・・と思いませんか。それに以前はかなり酷い勧誘方法だったのもあり、私自身現在は入会していません。
交通安全協会加入の断り方は簡単です
理念に納得できるなら加入すればよいでしょう、その時の特典は「パスケース」のような小物がもらえていました。しかし入りたくないが断りきれない方は、この一言ですませます。
手続き代金を出しながら「これしか持ってきていないので」と言えば解決だ。お金の無い人からお金を出させることは出来ないからだ。後ろにたくさんの人も並んでおり、強引な勧誘は問題になったためこれ以上は追及されません。
現在の加入率は?
2013年の山口県のデータがあります。それによると入会率・加入率は35%と3人に2人は断っている計算です。最盛期は80%というのだから、入会の辞退数はかなりのものです。もちろん都道府県によっても異なりますが、大きな差は無いと思われます。
協会事務局によると、窓口の入会率は宇部(宇部警察署)が53・4%、県(総合交通センター) が28・4%で、両窓口を合わせると35%前後。「年々減少する傾向にあり、(協会離れを)抑止できていない状況」という。 10年前は67%台、最盛期は80%台を維持していた時期もあった。
納得するかしないか
結局のところその人が納得して入るか、入らないかになります。きちんと使われている用途やこれなら地域に貢献できる、と感じれば入ればいいでしょう。納得できない、昔の強引さが印象を悪くしているので入りたくない、というなら入らなければ良いのです。何をしに行くかを思い出してください、免許の更新と講習がメインです。
・優良運転者講習30分
・一般運転者講習60分
・初回更新者講習120分
・違反運転者講習120分
この上記4つを受ける為に本来は行くのであって、講習では最新の法律改正状況や安全運転の本がもらえます。スクランブル交差点が出来たとか、法律が変わったとか、お年寄りの高齢者用講習が等、そちらに本来は感心が行かなくてはいけないのです。違反せずに気持ちよく運転や更新をしたいものです。