大阪と和歌山を結ぶJR西日本の「阪和線」ですが、関西国際空港へ向かう方に間違いが多発しているそうです。なぜ乗り間違えやすいか、それは分かりにくい切り離し方にあります。国内の旅行やUSJ(ユニバーサルスタジオジャパン)も近く、乗車人数は増えています。
関西国際空港の利用者は多い
関西国際空港(通称:関空)は、国内の利用者・国外の利用者共に増えています。外国人観光客が大阪に来る際もこの空港を使うことが多い為です。2014年の統計によると、国内線は約650万人・国際線は約1350万人が利用しています。いかに外国からのお客さんが多くなるかが、この数字から見て分かります。
関空快速と紀州路快速の停車駅を確認
なぜ分かりにくいかを説明する前に、JRの駅を見る必要があります。これらは京橋駅から出発して、大阪環状線を内回りに走ります。天王寺駅に着いてからは阪和線になり、和歌山方面へ向かいます。阪和線と言うのは大阪と和歌山を結ぶ路線です。
【止まる駅】
京橋駅→大阪駅→福島駅→西九条駅→弁天町駅→大正駅→新今宮駅→天王寺駅→堺市駅→三国ケ丘駅→鳳駅→和泉府中駅→東岸和田駅→熊取駅→日根野駅
上記の駅に停車します。更に紀州路快速は日根野駅で切り離して、和歌山駅へと向かう車両と、関西国際空港駅まで向かう車両に分かれます。
関空快速と紀州路快速の違いは?
関西国際空港駅へ直結するか、分離して半分の車両だけ関西国際空港駅へ向かうかです。
【関空快速】
京橋から日根野まで環状線内は各駅へ、阪和線は快速扱いで運行しています。日根野に着いてからは「りんくうタウン駅」→「関西空港駅」となります。
【紀州路快速】
京橋から日根野まで環状線内は各駅へ、阪和線は快速扱い・・・ここまでは同じです。しかし日根野駅に到着すると、前の4両と後ろの4両で車両を切り離します。どちらか半分が関空へ向かい、どちらか半分が和歌山へ向かうのです。これが非常に分かりにくい。
ちなみに日根野駅から和歌山駅までの止まる駅は「ラッシュ時」の時間帯は下記に止まります。
日根野駅→和泉砂川駅→紀伊駅→六十谷駅→和歌山駅
そして「通常の時間帯」は
日根野駅→長滝駅→新家駅→和泉砂川駅→和泉鳥取駅→山中渓駅→紀伊駅→六十谷駅→紀伊中ノ島駅→和歌山駅
上記のように各駅停車になっています。実は地元民も分かりにくいようで、便利なのか便利じゃないのか微妙だといわれています。利用者が時間帯によって差がかなりあるので、こういう措置になっているのでしょう。
分かりにくい電車の名前
実は分かりにくい原因として名称が出てきます。
1:関空快速/紀州路快速
2:関空快速
3:紀州路快速
単独で運行する場合と、連名で運行する場合があり、正直分かりにくいです。昔は時間帯によって、関空快速が前の4両で紀州路快速が後ろの4両、違う時間帯は逆など非常に分かりにくいものでした。
いったいどっちかどっちなんだとツッコミを入れたくなるほど、ぐちゃぐちゃです。日本人でさえややこしくて間違うのに、外国人ならもう間違うのは当然というレベルでしょう。
ボランティアで案内する人もいる
これだけ分かりにくいと、日根野付近で間違う方が増えてきます。なんとそこでボランティアをするオジサンがいるとのこと。
大阪市内から関西国際空港行きの電車に乗ったつもりが、和歌山方面へ行ってしまう外国人旅行客が相次いでいる。JR西日本の「関空快速」と連結している「紀州路快速」が途中の日根野駅(大阪府泉佐野市)で切り離され、和歌山に向かうことを知らずに乗ってしまうためだ。間違いに気づき、大慌てでタクシーで関空に引き返すケースも少なくないという。
出典:関空へ行くつもりが和歌山へ 乗り間違え旅行客を 80歳「カムカム」と駅で案内
これは前述したのが理由だろう、とにかく分かりにくいのだ。元々阪和線自体も事故や雨に弱く、また阪和線が止まった・・・というのは地元民の間ではよくある現象として語り継がれている。
そんな状況を見かね、同駅で乗り換え案内をボランティアで続ける男性がいる。片言の英語で案内した外国人は5カ月間で2千人超。外国人の旅行客は増えており、男性は「1人でやるには限界がある。JR西は対策を考えてほしい」と訴えている。
5ヶ月間で2,000人が間違ってしまい、案内したとの事なので余程深刻な事態なのは言うまでも無い。駅員にこのような自体を伝えても改善されず、おそらくもっと上に言わないと難しいだろう。
今後の改善が待たれる
東京オリンピックも近づき日本への観光客は増えるだろう、実は阪和線の関空快速自体はそこまで需要があるわけではない。地元民が乗る率が圧倒的に高いので、関空快速を増やすと地元民の足に支障が出てしまう。
和歌山へ行くのにも昔より時間がかかっており、和歌山ー天王寺は昔は50分ちょっとでいけたが、今は1時間を越えている。これは福知山線の事故などもあった影響だが、あまりこの路線自体は使いやすいとはいえない。皆が納得する路線にするのは難しいが、分かりやすい環境を整えて欲しい。