若者の車離れは都会だけ、しかもお金が無いのではなく買う必要が無いから

若者の自動車離れが増しているといわれていますが、自動車は毎年売れに売れています。自動車が無ければどうやって会社へ通勤するのでしょうか、それは電車だと言う方が大半でしょう。しかし実際に通勤で電車を利用している方は、ごく少数派なのです。

年間500万台も売れている自動車

2018年1月現在、日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会が発表した資料があります。

これによると国内の新車販売台数は前年(2017年)より増えており、500万台を突破しました。ここ6年程は平均して約500万台を超えており「自動車が売れなくなってきている」というのは嘘で前年比5.3%増え、523万4166台となりました。

トヨタ自動車は2019年の世界生産台数(ダイハツ工業、日野自動車を除く)を、18年計画比33万台増の918万台に設定した。主要部品メーカーに伝えた。国内は同25万台増の333万台に、海外は同8万台増の585万台にそれぞれ増える見込みで、過去最高を更新する。

出典:トヨタ、19年の世界生産は最高更新へ。主要部品メーカーに伝える

日本トップのTOYOTA(トヨタ)の売上も好調で、約28兆円と過去最高クラスの売上を上げています。さらに販売台数も好調だった2017年を更に上回ると発表し、世界に至っては過去最高を更新する程です。自動車産業に勢いがあります。

若者のマイカー所有率は都市部と地方で2倍

ソニー損保が2018年に発表した、新成人のマイカー所有率は都市部が9%に対して地方は20%と約2倍となっています。

特にここ8年では所有率が最も高い状態であり、むしろ若者が車に乗っている機会は増えているといえます。更に平均所有率が約17%ということは、都市部の人間による影響が少ないのが分かります。東京都の都市部の若者を見て「若者は自動車に乗らない」という説明はおかしいのです。

日本で通勤通学に「電車」を利用する人は少数派

国勢調査によれば電車通勤(鉄道利用率)は「1位:東京都」「2位:神奈川県」が5割程で「3位:千葉県」「4位:埼玉県」「5位:大阪府」の順に下がっていき、大阪で約40%となっています。ですがほとんどの県で通勤に電車を使っている方は10%台や一桁台であり、電車を通勤に使う人は全国平均で2割、自動車通勤は8割という大差の結果となっています。

参考:国勢調査

これは東京・大阪といった都市部を物差しに考えるのは誤りであって、日本では通勤に多くの時間をかけたり過酷な通勤をしている人は少数ということを知らなければなりません。

地方では自動車が無ければ生活できない

以前住んでいたところは県庁所在地にありますが、周りを見ても電車通勤をしている方は全くいませんでした。圧倒的に自動車通勤が多く、その次に多いのが徒歩や自転車といった具合です。自動車を運転しない、保有していなければ「どうして?」と聞かれるほど、お金を持っている方も貧乏な方もみな車に乗っているのです。

「男性」だけでなく「女性」や「年配の方」も自動車に乗っており、朝は道路が渋滞しています。悲しいかな歩いている人はほとんど無く、まるで水平線の彼方を見るように車で埋め尽くされているのが地方の県庁所在地レベルなのです。

ですので若者の車離れは地方ではありませんが、東京へ昔より多くの若者が就職に行っているからこそ「都会での若者の車離れが昔より多い」のが正解ではないでしょうか。