カードゲームで世界各国で愛されている「トランプ」があります。日本では昔から「花札」や「カルタ」といったものがありましたが、16世紀にポルトガルから「トランプ」が伝わり、明治時代になって本格的に普及し始めました。そのカードを良く見ると一部のカードがやけに「豪華」です、それがスペードのエースです。
トランプ「52枚セット+2枚」の中身とは
トランプは大きく分けて「クラブ」「ダイヤ」「ハート」「スペード」の4種類があり、各それぞれに13種類の数字が振られています。4種類各13枚で合計枚数は52枚というわけです。
J「ジャック」Q「クイーン」K「キング」は人の絵が描かれていますが、その他は呼び名の数だけ印刷されています。
プラス2枚というのは「ジョーカー」が2枚入っているからです。トランプというものは1年を表す物とされています、1年は52週+1日=365日なので、通常ジョーカーは「1枚」で使います。では残りの1枚はというとイレギュラー時の「閏年(うるうどし)用」(準札)として作られています。
スペードのエースのみ絵柄が豪華になっている
「クラブ」「ダイヤ」「ハート」ここまでは問題ありません。しかし最後のスペードだけが他と大きさも異なれば、絵柄が豪華になっています。これはこのトランプだけではなく一般的なトランプ全てに言えることで、スペードのA「エース」のみこのような仕様になっているのです。
では「スペードのエース」が1番強いのかというと、特に関係はなくこれは「税金」が関係しています。1615年にイギリスが「輸入の関税」をかけて、更には1628年にカード税を課したのです。諸外国もこれに続いたわけですが、納税逃れもあったのでしょうか。
18世紀には納税の証明として「スペードのエース」が使われるようになりました。スペードのエースに王冠や製造についての印字を入れるようになったのです。つまりそれが付いているものは「納税証明書」として使え、付いていないものは「脱税をしている証明」となったのです。ですので他のカードに比べて絵柄が豪華になっているというわけです。
日本でも昔はトランプ類税が存在した
日本でもトランプには税金が課されていました。戦前は「骨牌税(こっぱいぜい)」という名前で、戦後は「トランプ類税」という名前で税金が課されていました。これは麻雀・トランプ・花札といった当時のギャンブルに使われる可能性があった物に限定し課されていたのです。
なぜ国民のほとんど知らないかというと「製造」した者が税務署に支払っていた(納税していた)からです。(ただし子供用は非課税)これは1989年に「消費税3%」が導入したと同時に「廃止」されました。
トランプの絵柄は有名人がモデルになっている
「スペードのエース」が豪華なの以外に、上記3種類が凝って作られています。これらのキング・クイーン・ジャックにはそれぞれモデルとなった人物が存在します。
マーク | 呼び名 | モデルとなった人物 |
クラブ | J ジャック | ランスロット |
クラブ | Q クイーン | アルジーヌ |
クラブ | K キング | アレキサンダー大王 |
ダイヤ | J ジャック | ヘクトル |
ダイヤ | Q クイーン | ラケル |
ダイヤ | K キング | ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー) |
ハート | J ジャック | ラ・イル |
ハート | Q クイーン | ユディト |
ハート | K キング | カール大帝 |
スペード | J ジャック | オジェ・ル・ダノワ |
スペード | Q クイーン | パラス |
スペード | K キング | ダビデ王 |
ジョーカーは道化師のピエロと言われています。このように王様・神話・英雄・騎士といった早々たる面々が名を連ねているのがトランプなのです。