自動車を運転する時、昔ならカギ穴に挿してドアを開けて、エンジンキー穴にカギを挿してからエンジンをかける・・・という一連の流れで運転を開始していました。ですが最近の自動車は、触れずに回さずに車を操作できるので、電池が切れると身動きが取れません。通常はスペアがもう1つありますが、焦るとあったことも忘れてしまいますし、外出先の場合は自宅に置いてあるので戻れません。それもこれも「電池」で管理されている為に起こる現象で、便利な反面こういったトラブルは厄介です。その為には仕組みを知って「電池が無くても動かせる使い方」を知っておくことが重要です。
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自動車メーカーで呼び方が異なる
それぞれの自動車メーカーで名称が異なります。似たような名前が多いですが、著作権や権利問題が絡んでいるため、名称を統一することは出来ないのです。名称は異なりますが、使い方はほとんど同じです。
TOYOTA | トヨタ自動車 | スマートキー |
HONDA | 本田技研工業 | Hondaスマートキー |
MAZDA | マツダ | アドバンストキー |
NISSAN | 日産自動車 | インテリジェントキー |
DAIHATU | ダイハツ工業 | 電子カードキー |
SUZUKI | スズキ | 携帯リモコン |
SUBARU | スバル | アクセスキー |
他にもボルボやBMW/MINIは「リモートコントロールキー」、メルセデスベンツは「キーレスゴー」、アウディは「アドバンストキーシステム」、フォルクスワーゲンは「スマートエントリー&スタートシステム」となります。
「キーレススタート」と「スマートキー」は違うもの
これらの鍵はもちろん手に持っていなくても、ポケットや鞄にリュックやスーツに入れているだけで問題なく操作できます。よく同じように混同されがちですが、これら2つは少し使い方が異なります。
キーレススタート(またはキーレスエントリー)とは、「キーに付いているボタンを押す」ことで開け閉めが出来ます。それに比べてスマートキー(またはスマートエントリー)は、「自動車の近くに行くだけで、又は自動車のドアノブを押す」ことで開け閉めが出来ます。(両方の機能を兼ね備えたものもあります)
こちらはスズキのスイフトのキーで、手元のボタンで開け閉めができ、ドアノブを押すことでも操作できます。
キーレスの進化版がスマートキーということです。しかし進化していくと思いもよらないトラブルも起きてきます。それが内臓電池の「電池切れ」です。電池で動いているため電池が切れると全く反応しません、これが家ならスペアキーに頼ることも出来ますが外出先ではパニックです。
保険会社の付帯されているオプション何だっけ・・・とか、JAF(ジャフ)呼ばないと・・・と思いがちですが、これは自分で簡単に解決が可能です。
電池切れ時の解決方法について、予備の鍵を出す
「キーレススタート」でも「スマートキー」でも、鍵の中身はほぼ同じと思って構いません。この電池で動くキーには、スペアの鍵が入っています。
鍵を裏返すとロック解除用の「つまみ」がありますので、段差の高い方から低い方へ爪で動かします(写真の場合は中央から上へ)。そうすると先端(写真で言う右端のシルバーの部分)が動くので引っ張りましょう。
引っ張ったら上記のようにスペアキーが出てきます。これを使用して鍵穴へ挿して運転席のドアを開けましょう。1つ注意点を言うならば、イモビライザーなどの盗難対策用防犯ブザーがあると、通常とは異なる開け方をしたため「防犯ブザー」や「クラクションホーン音」が鳴る場合があります。その場合は落ち着いて、次のエンジンをかける行動をしてください。
エンジンのかけ方・かける方法について
予備のキーでドアを開けて次はエンジンです。キーの挿し込み口があればそのままエンジン始動することが出来ますが、プッシュスタート式でボタンを押す場合はそうはいきません。通常は1メートル以内など電波の届く距離が決まっていて、車内に鍵があればすぐエンジンをかけることができます。しかし今回は「電池が切れている」のでボタンを押しても、当然ですが反応はしません(エンジンかからない)。
【1:Pのパーキングに入っているのを確認】
必ずPの位置にあることを確認してから、ブレーキペダルを踏みます。これはエンジンを始動する時の条件であり、安全を考えての事です。
【2:スマートキー/インテリジェントキーを近づける】
通常スタートボタンを押して始動しますが、このキーをボタンにくっつけます。押す必要は無くかざす程度で構いません。すると「ピピッ」と電子音が鳴ります。
【3:10秒以内にスイッチを押す】
電子音が鳴った後に「10秒以内」にブレーキペダルを踏んだ状態で、いつものようにスタートボタンを押してください。
お疲れ様でした、これでエンジンがかかりました。止める時はいつものように「P」のパーキングにしてからエンジンのボタンを切ってください。
電池切れなのになぜ動く?
なぜ電池が無いのに自動車のエンジンが反応するのでしょうか。それは内蔵されたチップが既に登録されているため、近くまで持っていくと読み込んで「確認」してくれるからです。当然ですが同じ車種ではキーの形は同じですが、内蔵されているチップが異なるため、この方法では「違う自動車」と認識し、防犯上開けることは出来ません。
注意点として「バッテリー」があがった場合は、動きませんので先にバッテリーを充電する必要があります。他の車に助けてもらうか、専門の業者を呼びましょう。
キーが電池切れした時の「電池交換」方法について
電池の交換はどのように行うのでしょうか。この作業時には「マイナスのドライバー」があると大変便利です。方法は先ほどのスペアキーを取り出すところまで(キー裏のつまみを押して先端からキーを取り出す)は同じです。
マイナスドライバーをそのまま隙間に入れると傷をつける恐れがありますので、布を巻くなどし保護します。隙間に入れて上下に動かすと「パカッ」と開きます。
上記はトヨタのプリウスとホンダのS660ですが、基本は同じ事が分かります。電池が入っているので爪やドライバーで外して新しいのと交換してください。自動車の交換用電池は「CR2032」のボタン電池を使います。ホームセンターやスーパー・コンビニの電池売り場に行くとどこにでも売っているタイプです。どうしても見つからない場合は「CR2025」でも可能ですが、はまるかどうか怪しい場合がありますので基本的には「CR2032」を使いましょう。
電池交換後は元通りに蓋を閉め、鍵穴用の鍵を戻すと自動車の電池交換完了です。車庫のシャッターを開閉するリモコンも、「CR2032」や「CR2025」が使われているので、いくつかストックしておくことをオススメします。
知っているだけでパニックにならずにすみますので、使っていると電池寿命は2~3年しか持たない電池です。全く使っていない場合でも電池の交換はする必要があります、なぜなら熱や湿気と環境によっては「液漏れ」する可能性があり危険です。
自分で交換が手間ならどこで車のキーの電池交換をしてもらえるのでしょうか。オートバックスやイエローハットで工賃を払えば交換してもらえますし、ディーラーや車検を請け負ってもらえるところはどこでも出来ます。値段は電池代・工賃込みで500円から800円位がほとんどです。最低でも車検がある度に電池交換する、ということは覚えておき、安心してドライブを楽しみましょう。