狭い空間に鏡を置いている理由を調べてみると、意外な事実が判明した

鏡というのは日常において、とても大事な役割を果たしています。自動車を運転するときに、後ろを見なくても後方確認ができるようにサイドミラーやルームミラーとして重宝します。むしろ無ければ車検に通らずに、国内では運転できません。お化粧をしたり、身だしなみを整えたり、ネクタイを結ぶときにも鏡は必要です。そうしないと自分が現在どのように置かれているか、詳しい状況を判断できないからです。

そもそも鏡ってどうやって作るんだろうか

どこにでもあるガラスですが、実際の作り方はどのようになっているのでしょうか。ガラスを歪み無く作ると、鏡になるそうですが工程が複雑です。

水に硝酸銀をとかした液に、さらにアンモニア水を加えてできた液(A液)と水にロッシェル塩をとかした液(B液)を作ります。
よく洗ったガラスをあたため、上からA液と、B液を同じ量まぜた液を注ぎます。するとガラスであたためられた硝酸銀は硝酸と銀にわかれ、銀はガラスの表面に付き、ガラスをメッキします。
水洗いした後に自然にかわかし、銀がはげないように銀の表面に黒いエナメルをぬり、かわかしてでき上がりです。

出典:札幌市青少年科学館

銀が塗ってあるそうで、金属が光るのを利用して作られているそうです。

日本中どこにでもある鏡はそのように作られています。最近ではスマートフォンでも鏡アプリなんていうのもありますが、あれはカメラ機能を使ったもので鏡のように映しているというやり方です。

街を歩いていると見かける鏡ですが、トイレやエレベーターや曲がり角によくあります。この中でも必ずあるのがエレベーターです。では何の為に置いてあるのでしょうか。

エレベーターで鏡がある理由は身だしなみ?セキュリティー対策?

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普段使っている方が、鏡を使う時はどんな時でしょうか。やはり身だしなみをチェックしたり、服装を確認したりという自分向けの理由が多数を占めるでしょう。

しかし最近では痴漢などの犯罪や、不審者対策として鏡があれば直接その人を見ずに確認できると挙げる方もいます。百貨店やスーパー・モールなどのエレベーターでしたら、監視カメラがあるので犯罪が起こる可能性は低いでしょう。

しかし夜のマンションのエレベーターなど、オートロックが無いところやあっても不審者が出入りできる場所などではセキュリティーの為に無いよりはあったほうがよいと思われる方もいます。

よくあるのが、スーパーやコンビニの1番奥や陳列棚にある鏡です。あれは狭い空間でも奥行きを出すためにわざと鏡を置いて空間を広くみせるという効果があるので、わざわざ設置しているのです。

実は意外な答えが正解だった

国土交通省と日本エレベーター協会によると、以下の回答が返ってきたそうです。

何のために鏡を設置するのか? その理由については「車いす使用者が乗り降りする際に、かご及び昇降路の出入り口を確認するためです」という回答でした。

出典:エレベーターに鏡がある意外な理由 身だしなみチェック? 痴漢などの犯罪防止?

なるほど、身だしなみや空間を広く見せたりセキュリティー対策ではありませんでした。車椅子の方が逆方向を向いていても、降り口を確認することが容易である為に設置しているのだそうです。

確かに前から車椅子で入ると、回転はしにくくバックで出なければいけません。同乗者や介護者など手助けしてくれる同伴者がいれば良いのですが、いないときに鏡が効力を発揮します。

ドアは自動で閉まりますので少しでも早く出なければいけません、スムーズに降りる為に鏡が設置してあるのです。

鏡を遮らないように意識すること

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エレベーターに乗った際は、車椅子の方がいる場合は鏡をあなたの姿で遮らないように注意しましょう。また、降りる際はドアの開くボタンを押して助け合いの精神を大事にしましょう。傷をつけたり汚したりすると、いざというときに迷惑になりますので配慮してあげるのが日本人らしさではないでしょうか。

車椅子の場合は、階段やエスカレータは使用できないのでエレベーターは流石というぐらい配慮されています。最近では降り口と乗り口が別のエレベーターが多くなっています。それはエレベーター内で、反転する必要が無いように前向きに入って前から出れるという車椅子の方向けに作られているからです。電車を利用する駅に特に多いのではないでしょうか。

死角を意識できることが大事

自動車やバイクでもそうですが、見えない部分が見えるというのは安全面を考えるととても大事なことです。満員のエレベーターでも、後ろ向きに乗ってしまうと、今が何階かやどれくらいの人が開いたときに乗ってくるのかなど、鏡で確認することができます。

もちろん防犯の意味でも重要になっており、警戒することが可能になります。常識と言う方もいれば知らないという方も多く、あまり広報されてこなかったのかなとも感じます。

鏡の位置を見ると、普通の位置よりも低い位置にあるので座っている方向けかな、とおぼろげに感じる方も多いのではないでしょうか。手すりもあるのはお年寄りの為にも、車椅子の方の為にも利用しやすくするためです。

車椅子に座っていても、いきたい階のボタンが押しやすい位置にあるのも配慮されています。バリアフリーも大事になってきたこのごろ、今の時代はエレベーターガールもいないので全て自分で操作するため、エレベーター会社の優しさが嬉しいですね。

誰かの役に立つことだけど、用の無い人には気付かれていない施設や機能って結構ありそうです。