「僕だけがいない街」と「僕だけがいる街」どちらがいい?

出典:僕だけがいない街

三部けい先生の「僕だけがいない街」が大人気です。この漫画はKADOKAWAのヤングエースで月間として連載されています。アニメ化や映画化など、今後一層人気が出てくるこの作品、私自身も引き込まれた魅力に迫ります。

僕だけがいない街とは?

簡単に言うと、主人公だけがいたりいなかったりする不思議なストーリーで、未来と過去を行き来しています。よくいうパラレルワールドで、何をしたかによってその後のストーリーに影響が出る作品となっています。

僕だけがいる街だと、誰もいなくてストーリーが進みませんが、僕以外にいろんな人がいるという設定ならば進みます。主人公がいない街の設定とした、このタイトル中々上手いつけ方です。

30秒で分かる不思議なストーリー説明 ネタバレ無し

母親が事件に巻き込まれて、自分も巻き込まれていく物語で、あの時ああしておけばよかったと、人生の中で後悔する方って多いと思います。その強い思いが、主人公を過去へと導き事件を無かったことにさせようと奮闘するところから物語が展開していきます。

しかし人生中々上手くはいかないもので、行ったり来たりを繰り返しながら少しずつ現実がずれてきます。過去もずれてきて、どれが現実か変えた未来かがごちゃ混ぜになり、とんでもない展開に巻き込まれていきます。

次がどうなるか、想像もつかないようなストーリー仕立てで読者を魅了します。

三部けい先生とは?

現在6巻まで出版されていて、「このマンガがすごい!2014」のオトコ編で第15位にランクインし、「マンガ大賞2014」では第2位に選ばれました。

ジョジョの奇妙な冒険でお馴染みの荒木飛呂彦先生のところで手伝っていたこともあり、2巻の帯には「三部さん、JOJOの三部を手伝ってくれてありがとう。なつかしいね。」と推薦文が書かれています。

バクマンという漫画家を目指す漫画で、「えぐい漫画」が読みたいと天才(新妻エイジ)が主人公、真城最高(ましろもりたか)と高木秋人(たかぎあきと)に言った事を覚えています。

人と全く違う、他の人がやらないようなテーマに挑戦してこそヒットはするものなのでしょう。三部けい先生他の作品として、月刊ビッグガンガンで連載中の「STEAL AND DEAD」や以前掲載された「DARK RABBIT」、ヤングガンガンで連載されていた「魍魎の揺りかご(もうりょうのゆりかご)」も独特で面白いです。

パニックホラーや人間の考えさせられる一面を描くのが多く、まさに現代に合っている漫画と言われています。ここまで人間の心理を考えさせられたのは「デスノート」以来かもしれません。

あまり漫画を買わない私ですが「僕だけがいない街」は買うに値する漫画だと感じました。ここまでのめりこみ、先が気になる漫画は何年振りでしょうか。

人は必ずしも幸せになれるとは限らないが、様々なことに勇気を持って挑戦することが大事だ、ということがこの本を読んで心に思いました。

アニメ化について

2016年からアニメ化になることが決まっています。フジテレビのノイタミナ他にて放送が開始される予定で1月の年明けです。

アニメ監督を担当する伊藤智彦氏は、36歳と若いですが作品は多彩です。
出典:伊藤智彦

2011年 青の祓魔師(ED2絵コンテ・演出、絵コンテ)
2011年 HUNTER×HUNTER(日本テレビ版)(ED1コンテ・演出)
2011年 ちはやふる(絵コンテ)
2011年 ギルティクラウン(絵コンテ)
2011年 けものおと。(演出)
2012年 ソードアート・オンライン(監督・絵コンテ・演出・OP絵コンテ・演出)
2013年 銀の匙 Silver Spoon(監督・音響監督)
2014年 銀の匙 Silver Spoon 第二期(絵コンテ、音響監督)
2014年 ソードアート・オンラインII(監督・脚本・絵コンテ・演出・OP絵コンテ・演出)
2015年 血界戦線(絵コンテ)
2015年 GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり(絵コンテ)
2016年 僕だけがいない街(監督)

銀の匙やちはやふる・ハンターハンターなど実績があります。三部けい先生曰く、かなり気合が入ってる作りとのこと、楽しみです。

脚本は岸本卓氏です。

出典:岸本卓

うさぎドロップ(2010年、脚本・シリーズ構成)
銀の匙 Silver Spoon(2013年、脚本・シリーズ構成)
ハイキュー!!(2014年、脚本・シリーズ構成)
銀魂゜(2015年、脚本)
僕だけがいない街(2016年、脚本)
プリンス・オブ・ストライド オルタナティブ(2016年、シリーズ構成)

このような作品を手がけます。出来るだけ原作に忠実に表現して欲しいところですが、セリフが多いのでどう上手く読者に伝えられるかが試されます。

映画化について

2016年に公開が決まっています。

制作はプロダクション:オフィスクレッシェンド
配給はワーナー・ブラザース映画

主演は藤原竜也有村架純です。

監督は平川雄一郎 脚本は後藤法子

アニメも映画も今から楽しみです、深い人間性の感覚をどれだけ再現できるか、2016年の楽しみが増えました。